半世紀以上かけて耕してきた畑の土がなによりの財産と話す櫻井さん。いちごは祖父の代から作ってきましたが、20年前から完全にいちごだけを扱うようになり、現在は「とちおとめ」を専門に栽培。家畜用飼料を用いた独自の堆肥で、いちごに特化した土作りをしています。

経験豊富で卓越した技術をもつ生産者として周囲から一目置かれる存在ですが、その原点は就農当初の大失敗にあると言います。そこで師匠に教えを乞い、あらためて根本からいちご作りを学び直しました。 幼い頃から一点集中型という性格もあり、やるからには良いもの、おいしいものを作りたいという一心で「とちおとめ」を極めています。

櫻井さんの手厚い世話を受けて育った「とちおとめ」は、濃くツヤのある真紅色をしています。かじると口の中いっぱいに果汁があふれ、深みのある甘さのなかにすっきりとした酸味も感じられます。バランスがよく食べあきることのない、爽やかで鮮やかな味わいです。